孤独のセミリタイア

天涯孤独・社会的孤立状態のアラフィフおじさんが、米国株投資でセミリタイア達成。 日々思う事を不定期で綴ります。(旧この社会の片隅に)

山崎元のFIRE論に思う

 結論から書くと同氏はFIREに対して懐疑的な立場です。

 

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今回の記事の筆者は山崎元氏、おそらくインデックス投資に興味を持つ方なら一度は聞いた事がある名前かと思います。自分は「ほったらかし投資」に多大な影響を受けましたが、正直彼の書籍の通りに資産運用している訳ではありません。

特に日本株と日本国債は不要と思っているのであくまで我流な訳ですが、それでも投資の初心者には真っ先に薦める事が出来る、非常にバランス感覚に優れた本を書く人だと思っています。

同記事は投資家・経済評論家としてより、ファイナンシャルプランナーのような大きな目線での人生設計にまつわる話です。自分には中々耳の痛い話ですが、それでも示唆に富むところがあるので引用させていただきます。

 

身も蓋もない話だが、面白いと感じられる仕事ができていて、十分稼げるなら、急いでリタイアする理由は無い。特に、人生100年時代と言われる長寿化の流れを考えると、多くの人にとって、より長く働く人生設計が合理的になるだろうし、将来「面白い仕事で、より多く稼げる」ことを目標にすることが大切になる。

若いビジネスパーソンがFIREを目指すとした場合に、心配なのは、自分の人的資本に対する過小投資の可能性だ。知識、経験、人間関係など、将来の自分の価値を高める投資になり得るものの獲得には、時間や努力の投入だけでなく、お金もそれなりに必要だ。

以下ペシミストな自分の独断と偏見ですが「長く働けるならそれに越した事はない」「若いうちは自分に投資した方がいい」という主張を私見を交えながら補足していきたいと思います。

 

よく投資のことわざで「国策には逆らうな」と言いますが、実は早期リタイアは国策に逆らっているというのが自分の意見です。労働人口が減っているこの国で子供が増えれば御の字ですが、対処療法的には移民を受け入れるか年寄が働くしかない。

そして日本は移民を表立っては受け入れない事を選んだ。個人的に外国人技能実習制度は、パチンコとソープランドに並ぶ日本の三大建前と呼んでいます。移民でないという体裁を整える為に、すごく歪でメリットが乏しい制度になっている。

最近は海外からも奴隷労働との批判が来る始末で、実際彼らが実習期間を終え母国に帰れば「日本人はよそ者には冷たい人種だよ」「困っても誰も助けてくれなかったよ」と悪口を言いふらすのではないかと。

人口減少国は何も日本だけではないので、もう少ししたら世界中で移民の争奪戦になる。力関係が逆転した時に実習生をゴミのように扱ったつけがボディーブローのように効いてくると思います。

 

そうなると選択肢は老人に限界の限界まで働いてもらうしかない。今は年金の繰り下げ受給時の増額という飴で高齢者の労働を促している訳ですが、いずれ受給額全体の引き下げという鞭を使う可能性が非常に高い。

またそうした老人たちが何でそんなにお金を持っているのに、それに見合った納税も消費もしないんだとFIRE批判を始めるようになれば、弱者のポピュリズムで資産課税への強化が始まるかもしれない。

そうなった時に本物のお金持ちはちょっと貧しくなるだけですが、節約と投資を限界まで頑張りかつかつの状態でFIREを達成した人達は、一気に苦しくなる。復職しようにも優雅なFIRE生活が単なる職歴のブランクになってしまう訳です。

あくまで仮定に仮定を重ねた最悪のシナリオですが、「楽しい仕事で稼げるならそれに越した事はない」というのは理想論すぎるきらいはあるものの、以前紹介した近い趣旨のネット記事よりは腑に落ちる内容でした。

 

もう一つの自己投資について。自分は前にも若い人・特にすぐに投資できる資金がないような人達は、自分磨きを優先させた方がいいのではと書いたので、こちらも基本的には同意するところです。

これは自分を含めた話で自省を込めた意見として聞いてもらいたいのですが、FIRE志望者の中で人間的に魅力のある人が少ない気がします。ブログやツイッターでフォローしようかなという気に中々ならない。

自分が苦手なタイプの一つはインフルエンサータイプ。言う事はポジティブなのですが苦労の後が見えないので、人となりがあまり良く分からない。アフィリエイトの副収入が目的なんだろうなと疑いたくなります。

もう一つがフリータータイプ。癖がありそもそも勤め人が務まらない人が、ブランディングとしてFIREを利用しているケース。当然稼ぐ力も少ないので、本音で語ってはいるものの愚痴や悪口が多く、こちらも見ていて辛いだけなんです。

 

付け加えると自己投資だけでなく遊びにも、若い時だけというものが多いというのが実感です。個人的にも50代を迎えて、ここまで自分がすっからかんになるとは思ってもみなかった。特にサブカル関連の消費は殆どなくなりました。

旅行やホテル宿泊は相変わらず好きなのですが、こちらは体力の低下と共にすっかりご無沙汰になっています。往復に使う時間が勿体ないし、電車で立ちっぱなしも飛行機で狭い座席に座るのもストレスしかない。 

記事の最後は「FIREを強く目指すあまり、それこそ爪に火(FIRE!)を灯すような生活をすることによって、人間のスケールが小さくなることが心配だ。」という駄洒落で締めくくられますが、これは自分も気を付けなければなりません。

FIREや節約生活自体を目的とするのでなく、あくまで手段としてそこから何が出来るのか。まぁ自分の場合はストレスで体調を崩し働くのがきつい人間なので、あまり大きな事は言えません。

 

その他にも高配当とインデックスのどちらが有利かというFIRE志望者の間では度々論争になる部分についても語っているので、興味のある方は全文をチェックしてみては如何かと思います。