孤独のセミリタイア

天涯孤独・社会的孤立状態のアラフィフおじさんが、米国株投資でセミリタイア達成。 日々思う事を不定期で綴ります。(旧この社会の片隅に)

靴磨きの少年

靴磨きの少年の逸話は、投資をした方なら一度は聞いた事があるかと思います。

一応書いておきますと、ジョセフ・P・ケネディが 靴磨きをしてもらっている最中少年から株の銘柄を薦められ「こんな少年でさえ株を買っているのだから、この後に買う人はいないので暴落する」と売り逃げ、実際その後大暴落が来たという話です。

SNSでも度々引用されるこの逸話を見るたびに、自分は妙な違和感に襲われる事が多かった。要は自分はトレンドが読める・自分がケネディで頭の悪い誰かが少年になると信じている人が、この話を持ち出すのではないかと。

ちょうどこれを書いている最中にトゥギャッターでこの逸話に関するまとめが立ちましたがまぁこれがものの見事にマウント合戦で、誰も間違った事は言っていないのですが、正直読んでいて気分の良い物ではありませんでした。

 

togetter.com

 

結局誰かにババを引かせて勝ち逃げできると思っているなら、それは投資ではなく投機なんですよね。自分さえ良ければいいという欲望は、その時々の勝ち負けはあっても長期で見ればより資金力と経験のある組織のカモにされる。

インフルエンサーが上昇局面で仕入れてはマウントを取り、下落局面を煽ってはアクセスを稼ぎ、でもヘッジファンドはもっと安く仕入れていて、実はその上昇自体が仕掛けだったりする。そんな入れ子構造を自分は思い浮かべる訳です。

少年少女や専業主婦が株に群がるのが世も末なら、名前どころかポートフォリオも明かしていない匿名ブロガーの書籍が本棚に並んでいるのも世も末。まぁ匿名でも自分は凡人と公言しているチンギスハン氏は個人的に尊敬していますが。

 

昨年のコロナ禍の下落局面を振り返れば、この世の終わりと全降りした人も二番底が来ると買い控えていた人も、結果を見れば機会損失したことになる。結局素人・セミプロには株価など見ずに定額積み立て・バイ&ホールド以上の戦略はないという事です。

インデックス投資の戦略が血肉になっている方であれば、靴磨きの少年の逸話を知らなくてもその元になった1929年のウォール街大暴落の教訓は自然と身についているのではないかと思います。

狼狽売りしない為にも、最大50%の下落を想定して自分のリスク許容度を見極める事。20年以上の長期投資を理想として、少しずつ資金を投入する事。それらを守る事が出来れば成功の第一歩と言えるでしょう。

 

水瀬ケンイチ氏の表現を引用すると、トレンドフォローは「安く買って高く売る」バイ&ホールドは「高く買ってさらに高く売る」戦略。そして値動きに一喜一憂している人は後者をやっているつもりでも自然に前者になっていると。

自分はそこにもう一つ仮説を付け加えたいと思います。靴磨きの少年の逸話をしたり顔で語るようになったらこれは要注意。インデックスを長期で買っているつもりでも、自然と発想が投機に傾いているのではないかと疑った方がいい。

著名な投資家ジョージ・ソロスの言葉を借りれば「良い投資は退屈なもの」という事です。買いでも売りでも煽り文句に値札を付けて儲けようとする輩から距離を取る事が大切だと思います。